■クロス取引についての考え方。
株主優待や配当の権利確定が最も多い3月の権利確定日まであと一週間
ほどとなってきました。私も大体の仕込みを終えており、あとは権利日寸前
に「どうしてもほしくなってた」2,3銘柄を衝動的に仕込む位だと思います。
さて、みなさま既にご存知ことと思いますが、私は現物”裸”オンリーでクロス
取引は一切いたしません。その昔信用取引で資産の大半を溶かして以来、
信用取引を封印しているという理由もありますが、いくつか理由があります。
一番大きい理由は「値上がり益を取りにくい」ということです。
クロス取引は基本的に損なく優待だけ取るのが主目的ですので、損していなけ
れば即座に決済してしまうので、必然的に株を握っている期間が短くなるため
値上がりチャンスを失うこととなります。特にここ数年の上昇相場で優待株が
どんどん値上がりしているため、クロス取引をするにもコストが上がってしま
っており、「株をやっているにも関わらず、あまり値上がりしない方が嬉しい」
という心理的にも経済的にもなんだか微妙な感じになります。
また基本は優待を取って終わりなので、「経験値が伸びない」点もマイナスです。
毎年の逆日歩の出方などに関しては多少は経験がモノを言うかもしれませんが、
せいぜいその位であり、売ってしまった後は決算や株主通信などを確認しない
方も少なくないかと思います。そりゃ既に売った株の将来性を後から確認し
た場合の心理的なショックは大きいですから、株主優待券さえ手に入れれば、
株主通信など読まずにゴミ箱に捨てたくなる気持ちもわかりますが、これで
は投資家としての成長はあまり期待できないでしょう。
少し辛口になってしまいましたが、ダウンサイドリスクを限定的にしたり、資
金効率を極大化出来たりする点でクロス取引の有用性は私も認識しています。
ただせっかく投資先がどんどん成長して、値上がり益が獲得できたり、配当金
がどんどん増えていったりするのにそれを享受出来ないというのは、こと株式
投資の本質からすると、ちょっと違うのではないかというのが私見です。特に
会社側ががんばって増配したのに「配当落ち調整金が増えるから迷惑」という
話を聞いたりすと「なんだかなぁ・・・」と思ってしまうのが正直なところです。
(※気を悪くされた方がいたらすいません、銘柄を選んで部分的にクロス取引
を使うことに関しては、私も否定するつもりは一切ございません。)
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。![]()
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コメント
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いつも勇気ある取り方に、疑問に思っていましたが、優待株は権利落ち日の下落がキツいと思いますが、平均して損益はいかがのものなんでしょうか?
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私も優待目的のクロス取引は一切しません。理由はなちゅさんが仰っている通り、株価上昇の恩恵が全く享受出来ないからです。2年、3年スパンで株価のチャートを見れば、ほとんどの銘柄が右肩上がりで株価が上がっています。王道ではありますが、しっかりと吟味した銘柄をストロングホールドする、これが最強ではないでしょうか。株価上昇、分割、また株価上昇、分割を繰り返し含み益が増殖していくクリレスやヨシックスのチャートを見るにつけそう思ったりします。
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shikataijiさん、コメントありがとうございます。
確かに権利落ち日の下落は正面からまともに食らいます(笑)
でも継続ホールド分が多いので、実際のところ殆ど気にしておらず、
優待を裸で獲得することに関しては、損益計算すらしていないというのが実情です。
おそらく優待獲得時期だけを切り取れば、クロス派の方よりも私の方が成果は低いと思いますが、
往復の取引手数料や取引手間(時間)はかかってないので、そこに関しては割り切っています。
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珠峰順樹さん、コメントありがとうございます。
ご理解いただいてありがとうございます。クロス取引にもメリットがある点は認識していますが、
ここ数年に関しては裸で握り続けていた優待株は結構な割合で値上がりしていますので、
「配当+優待+値上がり益」をまったく何もせずに享受することが出来ました。
例示いただいたクリレス、ヨシックスはその最たる例で、特にクリレスは高配当+厚い優待を貰って
後は昼寝しているだけで株価整数倍が実現出来ましたので、そういうポテンシャルのある株を
権利の度に毎回クロスしているのはちょっと勿体ないと思う次第です。
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クロス取引は経験が無く、一度やってみようかと口座開設したものの、イマイチやり方&仕組みがわからず躊躇していたところです。優待ブログを書いている方はよく「〇〇はクロスで」とか書かれていてなんでこんな裏技的なことができるんだろう?と不思議に思っていました。 これから下がり基調になる銘柄もあると思うので、その場合は有効かと思いますが、会社を応援するという姿勢とはたぶん間逆の行為ですよね。
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michimichiさん、いつもコメントありがとうございます。
そうなんです、これから不透明な相場になるのでクロス取引はより有効に機能する可能性があると思います。
ただこれも仰る通りですが、クロス取引は会社を応援するのとはまさに真逆の行為であり、
多くの会社が長期保有制限を実施し始めているのはまさにクロス取引対策ではないかと思っています。
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いつも感じていたことですが、長期ホルダーの方は時間があるせいか他が気になってしまうのでしょうか?
他のトレード方法を実践されている方へ疑問を呈している方が多い印象です。
デイトレーダーや優待クロス組に対してネガティブ意見をされているのを度々見かけます。
逆にデイトレーダーや優待クロス組が他の長期ホルダー組などに疑問を呈している場面は見たことがありません。
彼らの自分の投資に集中している所が私はとても好きです。
長期派の方は過去に信用取引に失敗した、あるいは信用取引が怖い、難しそうというコンプレックスも見え隠れしている気がします。
会社を応援するというスタンスももちろん良いと思いますし、個人でも機関投資家と同じように純粋に利益を求めていくスタンスも良いと思っています。
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プルーボさん、コメントありがとうございます。
なるほど確かにご指摘の部分はそのとおりかもしれません。
人それぞれやり方はあるのだから、構わないでいればいいのに、わざわざ要らぬことについて
言及するのは、貴殿の言うとおりある種のコンプレックスの裏返しなのかもしれませんね。
利益を求めていくスタイルの多様性や純粋な利益志向については私も概ね同意するところです。
ただ、デイトレーダーの方についてはこれまで特にネガティヴ視したことはありませんし、
むしろスキルや経験が大きく物を言う世界ですので、どちらかというと敬意を持っております。
そのため短期でのサヤ取りという観点では類似性があると思われるものの、
私個人としてはデイトレとクロス取引は全く違うものとして認識しております。