(前回からの続き)
私が”1円抜き”を繰り返していたこのプライムシステムという会社は後に
サンライズテクノロジーという社名に変わり、上場廃止となったのですが、
本当にとんでもない会社でした。というのも実はこの会社、東証の子会社
だった東証コンピューターサービス(TCS)という子会社を抱えていたため、
本業はボロボロなのですが「何かあったら東証が何とかしてくれるはず」
という共通幻想の下、ボロ株愛好者達が群がるイナゴ銘柄だったのです。
そんなことを知ってか知らずか、会社側は株価の値持ちが良いことを活か
してMSCB(転換価格修正条項付転換社債)を発行して増資しまくり、会社の
延命だけを目的に、株主価値を極限まで薄めてきました。最終的に株価が
1円ヤリ気配になった時はさすがに底かと思ったのですが、更に株式併合
なる荒業を繰り出し、株価は事実上「1円以下」まで下がってしまいました。
私は株価が20円台の頃から、「1円以下」になるまで握っていましたので、
およそ25万円近い大損失をこうむりました。言うまでもなく学生にとっては
大金で、私は2ヶ月分の給料に相当するお金をあっという間に失いました。
この頃私は運転免許を取るのに、親に20万円位出してもらっていたことも
あり、一体自分が何をやっているのかわからず、茫然自失する日々が暫く
続きました。「もう株なんかやめよう、」と思ったことは一度や二度ではあり
ませんが、25万円のお金を失ったこの時はさすがにやめようと思いました。
結局、高すぎる授業料を払わされた私は、この時以下の教訓を学びました。
・「MSCBを発行する銘柄には近づかない」
・「株価は1円が底とは決まっていない」
・「お上が必ず助けてくれるとは限らない」
ただこの時、投資資金はほとんど溶かしてしまっていたため、こんな教訓が
何時役に立つのかもわからず、「これは授業料にすらならないんじゃないか
・・・」などと思ったのは、いまだによく覚えています。
(※本連載はいったんこのエントリで完結します。
気が向いたときにまた続編を書きたいと思います)
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コメント
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なちゅさんの経験談は教科書的な価値があります。
続編、期待しています。
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いつも読んで参考にさせてもらっています。
自分も株を始めた初期にプライムシステムでやらかしたクチです。
なちゅさんは最初から堅実にクレバーに投資されていたイメージだったので、まさかそんな失敗をされていたとは意外でした。人に歴史あり、ですね。
それにしてもとんでもない会社でしたね。「金曜日をカジュアルデーにする」開示は一生忘れません。
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shikataijiさん、コメントありがとうございます。
大した記事ではありませんが、そんな風に言っていただいて恐縮です。
いずれまた続編は書きたいと思いますので、気長にお待ちいただければと思います。
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かびこさん、いつもご覧いただきありがとうございます。
おおっ、同じプラシスでやられたクチですか!勝手に親近感が湧きます~。
今回の記事では信用取引に手を出す前の話なので、損した内容的としてはこれでもまだマイルドな方です。
そして堅実でもクレバーでもないので、痛い目にあって覚える方が多いと思います。
私はセンスがないので、経験値で勝負するタイプですね。
カジュアルフライデーの開示、そういえばそんなのもありましたね。懐かしいです。。